2025/04/23に朗読しました!
AI生成キーワード「ピザ」「ラーメン」「グリーンスムージー」「寿司」『四皿めの手紙』
都会の喧騒から電車で二時間。山あいにひっそりと佇む小さな町、「秋森」。
その駅前に、一軒の古びた食堂がある。名前は『ふるまい亭』。木造の引き戸に、風鈴がチリンと鳴る。
店主の名は、坂井一太郎。
七十を過ぎた頑固な男だが、腕は一級品。かつて銀座の高級寿司屋で板前をしていた。
それが十年前、突如店を畳み、この町に移住した。
ある夏の日、ひとりの若者がふるまい亭の暖簾をくぐった。
「すみません、一見でも大丈夫ですか?」
眼鏡をかけた、細身の青年だった。背中には大きなバックパック。
手にはガイドブックではなく、ノートと万年筆。どこか旅人というより、物書きのようだった。
「かまわん。好きな席に座んな」
一太郎は手を止めずに言った。カウンター席に腰を下ろした青年が、おずおずと口を開く。
「あの……おすすめって、なんですか?」
「うちは“気まぐれ四皿”ってのをやってる。四品、こっちが決めて出す。食いもんで今のあんたに足りんもん、出すって仕組みだ」
「面白いですね。じゃあ、それをお願いします」
◆
最初の皿は、「ピザ」だった。
だがそれは、イタリア風とは少し違った。もちもちとした生地に、味噌ベースのタレ。刻んだ大葉と茄子、山椒が香る。
「和風ピザ……なんですね」
「若ぇやつはすぐ“本場”を気にする。だが、口で食うのは“今の自分”だ。昔はピザなんぞ食ったこともなかったがな、工夫次第でこうなる」
青年は一口食べた。チーズと味噌の意外な調和。舌が、懐かしいと感じた。
「……なんだか、田舎の夏祭りを思い出しました」
「それなら、成功だ」
二皿目が運ばれる。「ラーメン」だった。
スープは澄んだ鶏だし。具は、菜の花と炙り鴨。派手さはないが、湯気に深い香りが立ちのぼる。
「うちはチャーシュー使わねぇ。鴨はクセがあるが、根が素直だ」
「根が素直、ですか?」
「お前さん、今どっかで迷っとるな。“好きなこと”と“やるべきこと”の間でな」
青年の手が止まった。
「……どうして分かるんですか」
「料理人は、客の表情と、箸の止まり方でなんとなく分かる。あんたの目、焦げた紙みてぇに乾いてる」
青年は目を伏せた。万年筆が、重たく感じた。
◆
三皿目は、鮮やかな「グリーンスムージー」だった。
小松菜とキウイ、蜂蜜とレモン。だが、その上にはなんと抹茶のジェラートが乗っていた。
「……これは、飲み物ですか? デザートですか?」
「どっちでもいい。体も心も、余白を欲しがってる時は“曖昧なもの”が効く」
青年はスムージーを口に含み、ふっと肩の力を抜いた。
冷たさが喉を滑り、ほのかな苦みと甘みが残る。
「……少し、眠たくなりました」
「それでいい。ここまでで、十分だ。四皿目は……自分で決めろ」
一太郎がそう言って、カウンターに一枚の紙を置いた。
それは、便せんだった。端に、小さく“ありがとうの一皿”と書かれている。
「それに、今の気持ちを書いてみろ。それが、あんたの四皿目になる」
青年は迷った。けれど、手は自然に動いていた。
言葉にならなかった感情が、インクの粒となって紙に落ちていく。
◆
一太郎は手紙を読まなかった。ただ、そっと包み紙にくるんで、厨房の奥の引き出しにしまった。
その引き出しには、他にも何十通もの手紙が入っているという。
「料理はな、味だけじゃねぇ。“誰かに届ける”って気持ちが、一番の調味料だ」
青年は、深く頭を下げた。
「……また、来ていいですか?」
「そりゃもちろん。次は“寿司”を出すかもしれん」
「楽しみにしてます」
暖簾をくぐり抜けるその背に、風鈴が再び鳴った。
◆
――数年後、秋森のふるまい亭の隣に、小さな書店ができた。
看板には『よんさら書房』の文字。
その棚には、一冊の本が置かれている。
『四皿めの手紙 ― ふるまい亭の思い出』 著:坂井 一太郎(監修:月村 透)
寿司を握る老店主と、言葉を探す青年。
二人が出会った、あの夏の味が、いま多くの読者に届けられている――。
プロフィール
名前:追風みなみ(おいかぜ みなみ)
活動開始日:2024年7月19日(YouTube初配信)
活動内容:Vtuber/ゲーム実況/朗読/歌/雑談
【追風みなみのまとめサイトはこちら】
はじめまして!追風みなみです
2024年7月19日にYouTubeで個人Vtuberとしてデビューしました!
もともとはスマホアプリでのライバーとしても活動していた経験があり、今ではYouTubeをメインに、幅広いジャンルの配信を行っています。
🎮配信ジャンル
ストーリー系ゲーム、RPG、経営シミュレーション、モンスターハンターワイルズ参加型配信など、ジャンル問わずいろんなゲームにチャレンジ中!
さらに、歌配信・雑談配信・朗読配信など、ゲーム以外でも幅広く配信しています。
📖朗読配信を始めたきっかけ
参加型配信が大好きで、リスナーさんと一緒に楽しめる機会をいつも探していました。でも、ゲームだと「ソフトを持っていないと参加できない」という壁が…。
そこで思いついたのが「AIで物語をつくる朗読配信」でした。これなら誰でも参加できて、一緒に作品を作っていく楽しさもある!と思い、始めてみました♪
🌟リスナーのみなさんへ🌟
いつも応援してくれて、本当にありがとうございます。
みんなともっとたくさんの思い出を作っていきたい!
これからも楽しい配信を一緒に楽しんでいきましょう✨
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